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2008年7月14日 (月)

のこぎり音楽ライブを観に行く。

Saw のこぎり音楽をご存じだろうか。関西の人には、「横山ホットブラザーズが『お〜ま〜え〜は〜あ〜ほ〜か〜』のときに使ってるアレ」と言えばたいていの人に5秒で伝わるのだが。東京では知らない人も多いようなのでかいつまんで説明しておくと、使用するのこぎりは、約1mくらいある片刃のもので、チェックのシャツを着た赤太いアメリカの木こりが使ってそうな大げさなもの。それをイスに座って股にはさみ、左手で刃を大きく曲げて親指でまたS字に返し、右手の弓(弦楽器を引くときに使うもの)でこすると、ふいーんという柔らかな音が出る。横山師匠はバチで叩いて音を出すのだが、弓派もバチ派も、曲を弾くときは刃を曲げる角度で音程を調節する。巨大な刃物という男らしいルックスのくせに、その音色がことのほかやさしくて面白いのだ。なんだか老婆のささやき声のような、それかロシアの電子楽器テルミンのような、独特の浮遊感のある音色がする。

そんなのこぎり音楽なのだが、友人が数年前より習いに行っており、その協会がライブをやるというので行ってみた。会場のライブハウスは幅広い年齢層の人で集まり満席の様子。協会に所属している人たちは、20代から80代までまことに幅広い。序盤はそんな彼らの演奏を聴いたのだが、選曲もジャズからクラシックまであり、演奏スタイルもビブラートを大きく効かせたり繊細なタッチにこだわったりと、各人それぞれの個性があって面白かった。

後半は、プロののこぎり演奏家として海外でもライブを行い、世界大会での優勝経験もある実力派、サキタハヂメ氏が登場。曲げとこすりが驚くほど正確で、一音一音をとても丁寧に奏でていて、ピラピラの金属板とは思えないほど広がりのある音を出している。音の響きが素晴らしく余韻もひとしおだった。スペシャルゲストは、ウクレレで参加のチチ松村氏@ゴンチチ。サキタ氏とのコラボレーションが軽妙で、2人の関西弁のやりとりを聞いているとまるで大阪の深夜番組のようで、学生時代をすごした大阪を思い出して懐かしさがこみ上げる。トリは、協会創始者であり日本ののこぎり音楽のパイオニアでいらっしゃる落語家の都家歌六師匠。こどものような笑顔でひょうひょうとと登場するも、いざ演奏を始めると、迫力のある音とボリュームも最大級で皆の心をわしづかみ。技術を超えた味わいのある演奏が素晴らしかった。

こののこぎり音楽というのは、どれだけカッコつけようと思っても所詮はのこぎりなのだし、どれだけシリアスな表情で演奏していても、出てくる音には脱力してしまう。弾いている人がどれだけ自由に楽しめるか、を問われているような楽器だと思った。そんなわけで会場全体には終始自由さとゆるーい空気が漂っており、非常にピースフルで楽しい一夜であった。

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