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2009年5月 3日 (日)

『スラムドッグ$ミリオネア』

200905030357.jpg六本木にて。ダニー・ボイル監督。出演者は全員インド人。もちろん一人も名前を知らない。おもしろかった。物語、キャラクター、舞台、演出が一体となって、ひとつのうねりのようなものを作り出していた。それはインドという国の勢い、というよりアジアの新興国すべてに当てはまるんだろうけど、その土地全体からあふれ出るエネルギーのようのなものが詰まっている映画でした。子供のころ見たら人生観に影響を与えそうな気がする。

インド版クイズミリオネアに出場したひとりの青年ジャマール。スラム育ちで無学のはずの彼が、最後の一問が終わった後に警察に不正を疑われ取り調べを受ける。その証言を通して、彼が育ってきた半生をフラッシュバックで描いていく。まず少年時代の様子が生き生きとしてすばらしい。ジャマールとともに行動をともにする兄貴分のサリム、そして幼なじみの少女ラティカ。様々な困難が彼らを襲うが、自由に、そしてずる賢く世間の波を泳いでいく。彼らを飼い慣らそうとする大人もまたずる賢さにあふれている。

物語はなぜ彼がこんなにクイズに正解できるのか?という謎を徐々に解明していくことで緊張感を保ちながら進んでいく。さらに映像のテンポや音楽が作り出す独特のグルーブが気持ちよく、全編にわたって熱い空気が充満している。舞台となったボンベイの町やスラムの暑さやホコリっぽさ、そこに暮らす匂い立つような濃いキャラクターを持った人物たちが見せる、嘘と金と欲望のごった煮のような物語が心地よい。少年の成長を描く青春物語であり、ラブストーリーとしても楽しめる。そしてラストも最高!!おとなしく映画を見ている自分がなんだかあまりに平板な人生を生きているようにも思わされ、無性に旅に出たくなるような映画でした。

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