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2009年3月15日 (日)

『オーストラリア』

19f4000533fa38be05e33e4a32528d01 バズ・ラーマン監督。ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン主演。スタッフ、主要キャストみなオーストラリア出身者で作られた、まさにオーストラリアの映画。『ムーラン・ルージュ』でもそうでしたが、ニコールの年齢を感じさせない(40歳!)キュートさとゴージャスさが光っていました。ヒュー・ジャクソンについては、果たしてこの男はいい役者なんだろうかと問いかけながら見ていたのですが、田舎臭さと洗練された魅力の両方を表現しつつ、どうも鋭さのようなものが感じられずなんか甘さだけが気になる感じでした。美しいオーストラリアの大自然を描いた雄大なスケール。荒野を駆ける1500頭の牛や日本軍の空襲のシーンは迫力いっぱいの大スペクタクル。良い意味で大げさな映像がいっぱいで、見所は多かったんですが、物語としてはなんだかまとまりがないような印象を受けました。

オーストラリア北部の町で牛追いをしているヒューの元へやって来たイギリス貴族のニコール。最初は野蛮で無礼な男に辟易だったが、徐々にその魅力に気がついていく…。という導入部はまさに『クロコダイル・ダンディー』ですが、そんな異文化交流のおかしさを描いたかと思えば、序盤はあれよあれよといううちに、「ダーウィンまで1500頭の牛を運ぶのだ」というミッションに取り組む冒険物語へ。さらに牛の件が片付いて中盤からは、平和な生活を脅かす戦争を描くストーリーへと趣旨替え。主人公2人の気持ちのすれ違いや重なりなどがあまり描かれず、惰性で引っ付いているような感じを受けました。なんでこの二人はくっつくの?

物語は随所にアボリジニの文化を絡めながら描かれており、伝統文化へのリスペクトなようなものを挟み込んでいるのですが、突き放したように神秘性が強く描かれ、なんだか都合が良すぎるのではとも思ったり。歴史を描いた大作だから仕方ないんでしょうが、出てくるキャラクターもおしなべて平面的で、金持ちや悪党、日本軍といった悪役の描き方もステレオタイプをなぞっているだけのようでした。そういう意味では、全編を通じて意外な視点や発見を提示するというより、みんながよく知っている歴史を一緒に確認して、共感しあって楽しむための映画なのかなと思いました。

物語の舞台となったダーウィンには10年前にしばらく滞在していたことがあるのですが、町の真ん中にある図書館の床には砲弾の型が描かれており、かつて日本軍の空爆があったことを物語っていました。映画を見ながらそのときに感じたバツの悪さをもう一度感じられたのは貴重な体験だったかもしれません。

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