『ワルキューレ』
新宿ピカデリー。トム・クルーズ主演。ブライアン・シンガー監督。1942年に実際にあったヒトラー暗殺計画を描いたサスペンスドラマ。事実の詳細については、Wikipeidiaの「ヒトラー暗殺計画」に詳しくあるが、映画の前に読むとおもしろさが半減してしまうのでご注意を。歴史に忠実な映画であるので、この暗殺計画が失敗してしまうということは頭では分かっているのだが、今まで知らなかった計画の詳細を映像でこのように見せられるとどうしたって心をつかまれました。計画の成功を祈り、手に汗握ってしまうの。こんな壮大な計画が実際に行われていたなんて…。トムは終始アイパッチ姿で軍服姿がりりしさ満点なのだが、役柄のためであるが深刻さのようなものが表情に出ていて、なんだか演技は平板な印象。しかし有能な指揮官の役に完全になりきっていて、リーダーとしての貫禄がすばらしい。男が惚れる男をよく演じていました。
物語は暗殺計画の一部始終を追いかけていくのだが、登場人物が多く、終盤はもはやそれぞれの人物の名前について行くのが精一杯。完全なる理解はあきらめて物語に身を任せる感じでした。しかし計画に関わった個人の葛藤やあせり、裏切りなどの人間ドラマがよく描けていて、計画が進むうちに軍の関係者らが、体制側かクーデター側かどちらかに選択を迫られ、国家の理念と個人の利益を比較するところなど、とても象徴的でおもしろかったです。作品の雰囲気はスピルバーグの『ミュンヘン』にも似たドキュメンタリー感があって、本当にこんな男たちがいたのかと、そしてこんな事件があったのかと勉強になったなという感じでした。
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