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2009年1月

2009年1月15日 (木)

『ワールド・オブ・ライズ』

World_liessub2 六本木の最終回にて。リドリー・スコット監督(もう71歳!)。レオナルド・ディカプリオ主演のスパイ映画。中東を舞台にヨーロッパで連続テロを行う組織と戦うために情報収集や秘密作戦などに暗躍するCIA職員の姿を描く。ディカプリオ盤石の演技といった感じで、知性とワイルドさを併せ持つスパイを好演。現地の相棒との絡みなど『ブラッド・ダイヤモンド』を思い出したりしました。社会派も上手にこなすんだなあ。アメリカのCIA本部から作戦を指揮する上司のラッセル・クロウもいい味。この役のために20kg体重を増やし、甘いもの好きのプックプクのお父さんを演じてます。これがまた、傲慢で、尊大で、強権をふりかざすヤなキャラなわけです。

最近のスパイもの、戦争もの映画といえば、ITバリバリの作戦本部や、グーグルアース的俯瞰からの映像、進化した盗聴システムなど、テクノロジーやべえ!というスタンスを取りがちで、それがまたストーリーの重要な鍵になったりするんですが、この作品はテクノロジーの利便性に安易に流されず、あくまでも人間ドラマに頼っていくストーリーの運び方が気に入りました。テロリストたちも地道に人づての指揮系統を構築したりしてるし。

「ウソ」というテーマを随所に散りばめながら、物語はぐいぐいと進むのですが、現場と本社といったサラリーマン的要素や、現地の女性とのほのかな恋物語を絡めてみせる手法も上手なものです。テロリストの内情や葛藤を描いたりしてテーマを掘り下げればいくらでも深い物語が作れそうですが、消化不良が起きない程度にまとめられているという印象です。それでも、ラッセル・クロウが体現する、あるところのアメリカらしさへの皮肉や、スパイとしての存在の葛藤もさりげなく描いているなど、ワールドポリス・アメリカへの批判的スタンスは一貫していました。2000年代に入ってなお1年1本ペースでメガホンを取るリドリー・スコット。70を超えた老体が指揮しているとは思えない熱量をもちながら熟練の映画力を見せつけられた1本でした。満足。

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