粋なコメディ『ファミリー・プロット』
DVDにて。1976年製作。ヒッチコック53作目の作品。これが最後の作品になった。インチキ霊媒師が資産家の息子を見つける仕事を依頼されるのだが、その息子は、名前を消して誘拐稼業に精を出す悪党だった! 登場人物たちの勘違いが巻き起こすストーリーの妙や、2人の粋な会話、サスペンスのシーンにもコメディ要素を盛り込むサービス精神がおもしろい。
ドタバタしながらもちゃっかりと息子の居場所に近づいていく霊媒師カップルと、しっかりしてそうでうっかりしてる誘拐犯カップルが対称的。目にとまったのは霊媒師のカレン・ブラックのコメディックな演技。口をポカンと開けて軽く驚く表情などとてもかわいい。そして誘拐犯のダンディなおじさん、ウィリアム・ディヴェインは、かっこよくなったときの則巻センベイみたいだなーと思っていたが、よくよく見れば『24』のヘラー長官じゃん 。
メイキングによると、ラストは代わりにヒッチコック自身が出演してみてはという助監督の演出アイデアがあったらしい。しかし本人は15分間考えてやめにしたらしい。次回作の予定もあったらしいが、あれが監督の顔で終わっていれば、53作品の締めとしてこれほどふさわしい物もなかったのではないか。
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